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2章:〜暗がりの声〜 (3/5)

 これも浮世の義理である。仕方ないので次の日曜日、その練習スタジオに着いて行った。

ミュウがスタジオの分厚いドアを開けると、アマチュアでありながらも、ロックをやってるだけあって、容姿だけはV系を意識した三人の♂が居た。

『初めまして、俺、南雲 彰。通称キラ!よろしく』

キラはヴォーカル担当。雰囲気的に、顔立ちも綺麗で、確かにヴォーカル向き。

『俺、堀越 勲。通称、ザム!よろしく』

ザムはドラム担当。確かにガタイが良い。

『俺、田村 敏行。通称、トッシュ!よろしく』

トッシュはベーシスト。

つまり、このバンドのギターはこの、何とも怪しいミュウだけだった。

『で、あんたがギターなわけ?』

そう私が言うと

『まぁ、そう言う事』と。

尤も、私は全くギターを知らないのだから、とやかく言える立場でも無いのだが、取り敢えず、私は立場上、そう参加出来ない事を了解して貰った上で、仲間入りをした。

しかし、こんな音楽初めてだ。普段、仏頂面した教授や講師の顔色を伺いながら、とにかく無事弾き終える事だけに専念して、決して発散なんて出来ないし、遊び感覚なんて有り得ない。【音楽】が【音が苦】になるなんて日常茶飯事だったのに、スコアのコード進行だけを追っての自由なアドリブは、本当に開放感があった。

但し………

リズム、バラバラ、チューニングが、ヴォーカルマイクに近づけ過ぎ……ハウリングが〜!

さて、どうしよっか。

要するに、アマチュアなんだから、この程度って事なのかも知れないのだが、一度気になり出すとやっぱり気になる。

『あのぉ〜チューニングがちょっと……』

『チューニング?どうかしたの?』

と言って一応、音叉は持ってるらしく、ケースから取り出した。が、しかし……

『こんなもんかなぁ!』

と、ミュウと二人、納得し合って終了。仕方ないのでキーボードで一音、一音チェックする始末。

挙げ句、テンポの崩れるドラムは、キーボードのリズムBoxを聴きながら演奏する私に合わせてる。

こんな状態で、良くも申し込んだものだ、と半分呆れてると、隣のスタジオからは、とんでも無い爆音が響いて来た。

バンドをしてれば♀にモテる、そんな邪道もまかり通っていた。学友の結希(不思議倶楽部参照)には散々、悪影響だ、サッサと辞めろと言われた。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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