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4章:〜消えた写真〜
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途中、やはり涌き水が流れ、道に落ちた木の葉が道路に張り付いている。晃久も利一もバイクの経験があるので、その危険性は熟知していた。だが、スピードの落とし過ぎも逆にバランスを崩す。
そう思いつつ、後ろを気遣いながらの走行だったが、バイカー達にその気遣いは無用の様だった。
『かなり走り馴れてるなぁ』
晃久もルームミラーを覗いて関心する。
一旦下り坂になると、そこからの登りが長くなるが、途中にはまだ民家も在り、簡素ではあるが児童公園も在った。
そのエリアを抜けるとまた、鬱蒼とした原生林に入る。と、その時、道端で何かが光った気がした。
『なぁ、ちょっと停まってくれ』
利一にそう言われる迄も無く、晃久はハザードを点けていた。後続のバイクも、それぞれ停まる。
利一は後部席からカメラを取ると、ある一点を見つめて進んで行く。と、そこに在ったのは小さな石碑だった。周囲を草に覆われて、一見すると気づかない。でも、今確かに光ったのだ。
すると後ろの加山達も、バイクから降り、ヘルメットを外してやって来た。
『どうしたんですか?』
加山が、運転席の所にやって来た。すると、矢崎がやはり利一と同じ様に、その一点を見つめてそっと歩み寄っている。もう一人、一番背の高い乾も同じ行動を取った。そして、盛んにシャッターを押してる利一に何か声を掛けている。
晃久も、後部席のバッグから、自分のカメラを取ろうとして、後ろを覗き込んだその時、後部席に一枚のリーフレットの様な物を発見した。
何だろう……
晃久が手を触れると、どうやらそれは写真の様な感触だ。写真を直に置くなんて事は絶対にしないので、カメラを取るのは後回しにして、その写真を手にし、もう暗くなった車内に、ルームランプを点ける。
写真は、随分古めかしく、白黒で、所々日に焼けた感じだった。その写真をじっと見つめて、晃久は息を呑んだ。そこには裾の短い着物姿の子供達が、じっとこちらを見つめている。
その子供達の並んだ背景には、古びた一階建ての学び舎らしき建物が在る。
なんだ、これは………
晃久の思考がフリーズした。
その様子に気づいた加山が、運転席の窓硝子をノックする。
『楠木さん、どうされましたか?』
晃久は、写真から目を離せないまま、車窓の硝子を下げた。
『オィ、利一!ちょっとこれ見てみろ!』
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