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4章:〜消えた写真〜 (2/7)

 《佐藤大吉商店》
これが店の名前だったが、実際の店主の名前は三吉。しかし、縁起担ぎで大吉としたらしい。
晃久が、店の前に車を着けると、ちょうどマサコが洗濯物を取り込んでいた。

晃久はバッグから、紙袋を取り出す。中には、人形焼と舟和の羊羹の折りが入ってる。

『あれ?誰かと思ったら、楠木さんかい?』

車から降りると、マサコが満面の笑みで近づいてきた。

『こんにちは、先日はお世話になりました』

利一も車から降りる。

『あ、これは俺の仕事仲間の、相良利一です』

そう言って紹介すると、マサコは少し緊張した面持ちで

『いやぁ〜遠くから良く来たねぇ』

と言うと、洗濯物を抱えたまま店を覗き込む。

『お父さん、楠木さんが見えたよ!楠木さんだよ!』

そう声を張り上げた。

『サ、むさ苦しい店だけど、中に入っとくれ。今すぐにお茶煎れますからね』

と、空いた右手で円い椅子を二つ並べる。

『あ、俺達ちょっと寄らせて頂頂いただけですから』

と言ったのだが、どうもそう言う訳にはいかない様だ。

店の奥から三吉が出て来ると、改めて、利一を紹介する。すると利一は胸ポケットから名刺を取り出して

『楠木の仕事仲間の、相良です』

と軽く頭を下げた。

『いやぁ、良くきた、サ、掛けてくんない』

晃久は椅子に掛ける前に、手にしていた紙袋を三吉に差し出し

『先日は大変ご馳走になりまして』

と頭を下げた。

『なにが、なにが、こんなんして貰う事なんか何も無かんべな』

と受け取ろうとしない。

『あ、いえ、単なる東京名物ですから』

そう言うと、三吉はカウンターの奥の座敷に向かって

『おう!なんか貰いモンしたぞ』

そうマサコに声を掛ける。

すると間もなく、マサコがお盆とポットを手にやって来た。

『や〜だ、そんなんして貰う事無いがね』

とやはり受け取ろうとしないので、晃久は袋の中から、箱を二つ取り出して

『人形焼と舟和の芋羊羹とあんこ玉です』

どうやら二人共、そのどちらも知ってるらしく

『いや〜珍しいモンを……』

と恐縮してる。

『ささ、どうぞ掛けて下さいな』

晃久と利一は一瞬迷って顔を見合わせたが、せっかく用意してくれたのを断るに断れず、椅子に掛けた。

『じゃ、これは早速仏様に』

と言って、マサコは二つの菓子折りを受け取った。
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右側の集落 ©著者:Jude(ユダ)

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