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4章:〜消えた写真〜
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『今日はまた写真撮りかい?』
三吉が胸ポケットから煙草を取り出す。空かさず晃久がライターを取り出した。が、三吉は自分のライターを手にしてる。
『俺もこれからはコイツにしようと思って、街に行った時き買って来たんだ』
と笑顔になった。
『これ使うと、は〜(もう)マッチは使えねえ』
と言った。
『今日は、粂田に行くつもりで来ました』
と晃久が言うと、三吉は思い付いた様に立ち上がって
『よぉ!こないだの粂田の写真あるんべ?ちょっと持って来いや』
そう座敷に声を掛けた。
〔粂田の写真?どれ?〕
『ほれ、学校の写真あったんべな!』
〔ああ、あれかい〕
《写真》?
『粂田の写真が在るんですか?!』
晃久は胸の高鳴りを感じた。
『いや、在るって言っても古い写真で、何時ぐれぇかわからねえ。分校の前でみんなで撮ったモンらしい。昨日、集会所の引き出しからめっけたんだけんど……』
晃久達にそう言うとまた
『写真!そこんとこの引き出しにあったんべ?!』
そう声を掛けると、マサコが店に戻って来た。
『なに、大声出してみっともねぇ……』
マサコが三吉を嗜める。
『いや、それが何処にもねぇんだよ』
マサコのその言葉に
『そんな筈ねぇがな!おめぇも昨日見たんべが?』
『あぁ、確かに見て、仏壇の引き出しに仕舞っといた』
と、マサコも言う。
『じゃ、ちょっと他所探してみろや!あれは無断で持って来てるんだかんな。他のんちに知れたら大変な事になるがな!』
するとマサコは口を尖らせて
『何でもヒトのせいにすれば良いと思って!あんただって自分で借りて来たなら、自分でちゃんとしてないんが間違いだんべ!』
そう言いながら、渋々また、部屋に戻った。
『まぁず、年をとった婆っちゅうのは始末が悪リいや。口答えべぇしやがる』
そう晃久達にぼやかれても、独身、しかも彼女も居ないこの二人には、リアクションのしようも無い。
『よぉ!めっかったか?!』
また座敷に声を掛ける。
〔今めっけてるよ!〕
マサコもいい加減頭に来てるらしかった。
しかし、程なくして戻って来ると三吉に
『流しんとこ迄探したけんど、何処にもねぇよ』
と言いながら店に戻って来た。
『まったくしょうがねぇなぁ』
三吉はそうぼやきながら、マサコを疎ましそうにジロジロ見る。
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