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6章:愛情とは
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「彼はリコちゃんのことが好きだったんだと思うよ。」
相変わらずの美しい所作で水割りを作りながら、レンは言う。
「…そんな慰めはいらんよ。」
グラスを奪い取るようにして、勢い良く水割りを流し込んだ。
「ヒモだったんだよ?自分の都合いい時ばっか甘えてきて、リコたんリコたんってまとわりついてきてさ。もう大丈夫バイバイって、超自己チューじゃん?ついてくるのも来ないのもお前の自由って、ただの自己満足じゃん。」
呂律の回らなくなってきた私の言い分を、レンは穏やかな表情で頷きながら聞いていた。
「彼はね、回り道したけどリコちゃんの大切さに気づいたんだよ。じゃなきゃ自分だけ帰りゃいいだけの話だし。だけど自分にはついてきてって言う資格がないって思ったんだと思う。ついて行かないって決めたのはリコちゃんなんだから、彼を悪く思ったらいけないよ。」
優しく諭すように言うレンの姿が、涙で歪んだ。
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風俗嬢の肖像 2 ©著者:奈緒
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