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31章:泪
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31章:泪
母は義父の問い掛けを
珍しく無視し
直ぐ様私の部屋へ来た。
私は頭が隠れる位まで
布団を被った。
心臓の音が母に
聞こえてしまうのではと思う程
鼓動が早くなっていた。
どうか気付かないで。
寝たふりを決め込んだ。
『ましろ…?』
名前を呼ばれても寝たふりをした。
どう考えても
おかしな状況だった。
真っ暗じゃないと眠れない筈なのに
煌々と点いたままの電気。
隣りの部屋の微かな音でも起きる私が
名前を呼ばれても起きない。
『ましろ』
もう一度名前を呼ばれた。
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