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30章:深夜
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30章:深夜
母の帰りはいつも深夜二時頃だった。
せめて母には
ばれてほしく無かった。
いち早く行為が終わる事を願っていた。
毎晩毎晩続く地獄の時間は
次第に長くなった。
ある時最中に
母が帰って来た。
駐車場に車が停まったのが解った。
義父は私には衣服を投げ
蜘蛛の子を散らす様に
急いで寝た振りをした。
私は服を着て母に
『お帰り』と言った。
その様子は
いつもと違った様で
母は動揺している様に見えた。
そして『何かあったの?』と聞かれた。
私は打ち明けてしまいたい心を
ぐっと堪えて
『何も無いよ。』と
答えるのが精一杯だった。
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