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12章:事務室 (1/2)

12章:事務室

ある日の放課後
いつもの事務の先生に


『先生、私が処女じゃなかったら
どうする?不良かな?』と尋ねた。
もう限界だった。
一人で抱えるのが。
誰かに聞いて欲しかった。


先生はしばらく沈黙した後
『ましろちゃん相手の人は
ましろちゃんに手を挙げるの?』と言った。


考えるより前に
『何で知ってるの?!』と声が出ていた。


先生は
もしかしたら全て解っていたのかも知れない。
自慢のチタンフレームの眼鏡の奥に
涙をいっぱい溜めて
そっと私のトレーナーの袖を捲った。
『ましろちゃん
これは誰がするの?』


私は何も言えず立ち尽くしていた。


『ましろちゃん
本当はおうちに帰りたく無いんじゃないの?』


何も答えられない
私の手をぎゅっと握って
『今日は先生のおうちに泊まりに来る?』と聞いてくれた。


何も答えられない代わりに
涙が後から後から出てきた。
嗚咽を漏らしながら
泣きじゃくる私を抱き締めてくれた。


『よく我慢したね。』と言いながら
頭を撫でてくれた。


私は先生から身体を放し
『先生、ありがとう。』
と言って家に帰るしか無かった。


だって
大好きな先生に
万が一危害を加えられたら
それこそもう立ち直る事はできないだろう。


あの日あのまま先生の言葉に
甘えている事が出来たら
まだまだ続く
こんなくだらない苦しみと
さよなら出来ていたのかな?
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泥沼。(仮) ©著者:ましろ

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