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12章:事務室
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家に帰ると
心底がっかりして
重い身体はもっと重くなった。
珍しく義父が早く帰宅したいた。
門限の5時を5分過ぎていて
横っ面を思いっきりひっぱたかれた。
母は夕食の準備をしていて
何も言わなかった。
宿題をやって
お風呂に入ろうとすると
意気揚々と
父も一緒に入ってきた。
我が家では
仲良し親子の一貫として
義父と一緒に
お風呂に入る事も
良い子の条件であった。
義父は回りの友人に
自慢話の1つとして
それはそれは嬉しそうに話したものだ。
私が思春期の六年生と
言うことを除いても
一般家庭なら
羨ましいだろう。
一般家庭なら。
その日のお風呂は
何か様子がおかしかった。
帰りの遅い義父でも
タイミングが合えば
私とお風呂に入っていた義父も
入浴だけは
普通に過ごしてくれた。
多少胸を触ったりしたとしても
わざとらしく拒否することが出来た。
外に母が居るから。
その日は何故だか
義父の沈黙が多かった。
気にしているのも
面倒だし
汚いモノを見るのも嫌なので
さっさと上がろうと思った。
頭を洗い終わったころ
立ち上がろうとする
私の口を後ろから押さえつけた。
そしてそのままされた。
騒ぐこと等出来ない。
暴れる事も抵抗する事も出来ない。
外に母が居る。
キッチンで夕食を作っているかもしれない。
居間でTVを見ているかもしれない。
どうかお願いだから
少しでも遠くに居て
気がつかないで欲しい。
静かに涙だけが出た。
終わって先にお風呂を出た
義父の背中を見て
泣いていたのが
母にばれないように
顔を洗った。
緊張の糸がプツリと切れた気がした。
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泥沼。(仮) ©著者:ましろ
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