1章:痴女アヤカ (2/18)

「覚せい剤取締法違反で逮捕する！」

「12月1日午前0時10分、現逮！！」

制服の警察官達の声が飛び交う。
ここは新宿東口アルタ前交番の中だ。
間抜けな事に男は駅前で職務質問にあい交番に連れこまれたのだ。
6人の警察官に囲まれジーンズのポケットに入れていた覚せい剤入りのパケを半ば強引に見つけだされ押収されたのだった。

「手をだせぇー！両手だぁーー！」

若い制服の警官が怒鳴り声をあげる。
男はふてくされた表情をしながらも素直に腕を差し出した。
男の両手に手錠がかけられた。
やけに冷たく重く感じている。
男は手錠がかけられた自分の手首をじっと見つめて一つ大きなため息をついた。

その直後

「チクショウー！クソッタレーー！！」


大きな叫び声をあげた。

この日一人のシャブ中が捕まった。