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10章:妊娠
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10章:妊娠
季節は巡り春が来た。
私は高校三年生になった。
ケンジとは上手くいっている。
夏菜は彼氏と別れたり、またくっついたり、違う男を作ったり、相変わらず忙しい。
誠は…
誠とはあれから会っていない…
ケンジも最近は誠の話しはしなくなった。
時が解決してくれる…
そう思うしかない…
私はもうすぐ修学旅行を控えていた。
5月に修学旅行と言うのは、時季的には丁度いい。
しかも行き先は九州だった。
ケンジは九州出身なので、どの店が美味しいとかあの店はどうだとか、色々と教えてくれた。
私「もう学校で行き先なんて決まってるんだから、そうゆう場所には行けないと思うよ」
ケンジ「俺も一緒に行きたいなぁ…」
そんな楽しい会話をしていたが、私には心配事があった…
生理が遅れている…
旅行の準備やらで忙しかったし、落ち着けば来るだろうぐらいに思っていた…
修学旅行も無事に終わり、九州から帰って来た日、ケンジが羽田まで迎えに来てくれた。
夏菜も家まで送ってあげる事になって一緒に車に乗った。
夏菜の家に着き、車を降りる時に
夏菜「ありがとう!また学校でね〜」
私「うん!」
夏菜「あっ、ちゃんと病院行きなよ〜」
私「うん…」
夏菜は大きく手を振り家の中に入って行った。
夏菜には生理が遅れている事は話していた。
でもケンジの前で言わなくても…
ケンジ「病院て?何処か悪いの?」
私「そうゆう訳じゃ…」
ケンジ「じゃ何?」
私「……」
ケンジ「ちゃんと言って…」
私「生理が…ちょっと遅れてる…」
ケンジ「そうなの?何で言わないんだよ」
私「まだ分からないし…」
ケンジ「明日一緒に病院行こう」
私「明日?」
ケンジ「早い方がいいよ」
ケンジは次の日休みをとった。
明日は土曜日と言う事もあり、午前中に病院に行く事になった。
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