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9章:Ⅸ
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「えぇーーーっ!?!?そんな事があったの!?あの悠也がとうとう!?!?」
「しーーっ!優子ちゃん、声が大きいってば!」
「あっごめんごめん!」
目の前に座る女は恥ずかしそうにキョロキョロ辺りを見回すと、口をすぼめて紅茶を啜った。
「でも最後までしなかったとはいえ、触られただけでも大進展だね〜!」
猫っ毛の黒い髪に切れ長の目。
悠也と似た鼻の形をしている、私の目の前に座る彼女は優子ちゃん。
優子ちゃんは悠也のイトコだ。
「最近悠也と会ってないなー 。私も今度悠也の美容院行ってみようかな!」
「今度一緒に行こうよ!悠也と優子ちゃんの漫才みたいなやり取り、また聞きたいし!」
「漫才ってー!なによそれー!」
優子ちゃんは大袈裟に手を叩いて笑った。
相変わらずテンション高いな。
優子ちゃんは私達より2つ年上で、小さい頃は悠也と三人でよく遊んでいた。
中学校に上がる前に近所から引越しちゃったけど、未だにこうやって会ったりする。
その度に悠也の相談を聞いてくれる、数少ない私の信頼してる人。
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