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1章:神村 理の場合 (1/8)

1章:神村 理の場合

気がつくと森の中を歩いていた。
いや、歩きながら目が覚めた・・・と言った感じだろう。
寒いのか、暑いのか、疲れも眠気も空腹も感じない。
道なき道をただひたすら、亡霊のように歩き彷徨う。
薄暗い森の中
何時間、何日、それとも何ヶ月か何年か。
なぜ私はこうしているのだろう。
昼も夜も分からない。
どうやら、時間の概念がないらしい。
そんな混沌とした中で、一筋の光を見つけた。

昼も夜も分からない、ただの暗闇から抜け出せるのか?

私は初めて走った。

顔にかかる小枝を払いのけ、落ち葉に埋もれた石に躓き、やがてその光に私は飲み込まれていった。

うっ、眩しい。
眩しいすぎて、目に矢が刺さったようだ。

次第に光に目が慣れてくると、一つの建物を見つけた。

今にも崩れそうな、木造の建物。
でもどことなく懐かしさを感じる。
私は吸い寄せられるように、その建物に近づいた。
木の板の看板らしい物に書いてある文字。

【(幽)輪廻】

何だ?ここは。

私は恐る恐る扉を開けた。

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(幽)輪廻 ©著者:まっきー

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