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1章:神村 理の場合
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『いらっしゃいませ。』
目が糸のように細い、童話に登場しそうな、どことなく愛嬌のある中年の男が私を見つけて言った。
もしくは、巷で流行った小さいオッサン。
それが実在するのなら、この男の事だろう。
外観に比べ、意外に狭い建物内。
窓のない、6畳のワンルームといったところか。
そこに、2人掛けのダイニングテーブルがポツンとあるだけ。
一通り室内を見渡し
「あの・・・
ここはどこですか?」
久しぶりに会う人間に尋ねた。
すると糸のような目の男は、更に目を細め
『ここは、生まれ変わり先の器を斡旋するところです。』
ユウゲンガイシャ、リンネ
そう言う男の口調は穏やかで、物腰が柔らかかった。
しかし私は、この男の言う言葉が理解できないでいた。
生まれ変わり?
私は死んでいるのか?
『お客様は、ご自分が既に亡くなっている事をご存知ないのですね。』
ならば、ご説明致しましょう。
と、椅子に座るよう促された。
男は、どこからともなくパソコンを持って来て私に見せた。
『ご覧ください。』
それは、私が死ぬ時の映像だった。
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(幽)輪廻 ©著者:まっきー
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