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10章:隠れた気持ち
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「ねえ、いつになったらその汚い化粧やめんの?」
いきなりこんな失礼な事を言うのは夏希しか居ない。
あの日からちょくちょく、冬馬君は急に不機嫌になったりとかして、その度夏希は「意味分かんねえ」と、首を傾げていた。
そんな夏希が私に言った言葉。
まさに私が「意味分かんねえ」と言いたいところだ。
午後のシェアハウスには、春さんと夏希と私が居た。
秋元さんと冬馬君は、そろそろバイトから帰って来る時間だ。
「なあ、そう思わねえ?」
春さんに同意を求めると、春さんは肯定も否定もせずに、言葉を濁した。
ひ…酷い!!!
元はと言えば、春さんの為に頑張った化粧なのに!!!!!
習慣というものはなかなか抜けなく、振られた後もこうした化粧を続けていた。
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