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『“待って”って言葉は一番言ったらいけない言葉だよ…その気もないくせに…』
「今の状態じゃそれしか言えない。あとはもう彩香ちゃんにまかせる。せっかく出会えたのにここで終わらすかどうかはもう彩香ちゃん次第だよ。俺は、もう少しがんばってほしい」
“せっかく出会えたのに”春名さんのその言葉が頭から離れなくて、私は終始泣いていた。
もうせつなすぎて言葉もでてこない。
「泣いてる?大丈夫?」
『うん…』
「どうする?もう少しがんばれるよね?」
『うん…。春名さんに説得されたからどうこうじゃないけど…。今離れるのはやっぱり嫌だ…どっちを選択しても辛すぎる』
「じゃあいつも通り明日出勤予定にしておくね」
『仕事は仕事として、それとは別に私の気持ちわかってね。なにも伝わらないのが一番辛い』
「わかってるよ」
結局また同じことを繰り返してしまった。
やっぱり自ら離れることはできない。
嫌でもその時がくるまでは…
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