ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

1章:理由 (1/1)

1章:理由

大酒を飲み、フラフラで帰路につく。



四〜五時間くらい寝て、自身のお客様に電話やメールをする。

いつの間にか準備しなければならない時間。



出勤。



永久ループに陥っている感覚。




その感覚を覚えてから、飲み物はテキーラやジンなど、アルコール度数が高い物をいただくようになった。




いただいた飲み物は、種類によって値段が変わるのではなく、あくまで杯数。



緑茶をいただこうが、テキーラをいただこうが、同じ金額。



ほとんどのお客様が笑って喜んでくれた。


他のホストがアイスビールやソフトドリンクを飲んでいる中、自分だけが高濃度のアルコールを摂取している。



時折、言われた。



「楽なの飲めばいいのに」




ワタルは欲しかった。



地位も名誉もいらない。
お金や女目当てでもない。



そこに笑顔があって
目の前のお客様が楽しんでくれれば




なんとなくワタルというホストの存在価値ができる気がしたから。




だから進んで酒を飲むようになった。




笑顔は嬉しかった。

そして眩しかった。





ある日の営業中、ワタルの働いている店のNo.1が自身のお客様に言い出した。



「エアーシャンパンコールやらないか?」




聞けば、シャンパンがそこにあるかのごとく、シャンパンコールをするのだと言う。



シャンパンもなければグラスもない。



ただコールをして、飲むふりをする。




そしてNo.1は、初めての試みだから30万円でやってくれとお客様に頼んでいた。



そしてエアーシャンパンコールは始まって、みんな集まり、開ける真似をし、注ぐ真似、飲む真似、終いには片づける真似、グラスを洗う真似までしていた。




営業後、それを社長聞いた社長は経費ゼロで利益だけの行為を絶賛した。




ワタルは自分が全否定された気がして、家に帰ってから泣いた。



次の日ワタルは社長に今日から1ヶ月後に辞める事を伝えた。

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

ソンザイ ©著者:kakeru

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.