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6章:行方不明者・父
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そうやってシュウ君との約束を守りながら毎日が過ぎ、学校は冬休みに突入した。
学校が無い=給食が無い
だったから本当に大変だった
とりあえず冷蔵庫にあったチョコを少しずつ食べながら昼間を無理矢理やり過ごし、夕方にはお好み焼き屋さんかお弁当屋さんの所に腹ぺこで走って行くのが日課だった。
おばちゃん達やテント集落のおっちゃん達にはいらぬ心配をかけたくなくて父がいなくなった事はまだ話してなかった。
そして年末のTVが特番だらけになっていた朝。
私には年末年始なんて一切関係無かったけど、お腹減ったしなるべく動きたくなくて布団に包まりTVをボーッと見ていたらシュウ君が家にやってきた。
家に入ったと同時に
「母さん、日本人捕まえたから国に帰ったよ。金無いからさ、父さんが国で出稼ぎしてくるって。帰ってくると思う?俺もな、ひとりぼっちになってまったよ。」
と、ぽつりと呟いた。
その時のシュウ君の顔が今でも忘れられない。
シュウ君は全てに絶望した様な真っ暗な闇の中だった。
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大阪府西成区で過ごした28年。 ©著者:オコジョ
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