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2章:友達の境界線
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「…昨日のコト覚えてんの?」
『…優太が私を元気づけるために下手なEXILEを1人で歌ってたコト?』
優太は洗い物をしながらジトッとした目で私を見て、不貞腐れたように、
「ちげーよ。つか下手は余計だ。ダンスまでやってやったのに。
…そーじゃなくて。」
「…こ。」
『こ?』
「…こ…」
『こ?』
「こ…」
『にわとり?』
洗い物を終えた優太は、ピッと指を弾いて水をかけてきた。
「あほか!告白だよ!こ・く・は・く!!」
私はポンッと手を叩いて古くさい動作をした。
『…なるほど!だから優太うちに泊まったんだ!』
「えぇっ!?覚えてねぇの??」
優太が大きな瞳をさらに大きくして、信じられないと言った表情になったので、私は笑いをこらえきれず吹き出した。
『…ヒヒッ!アハハ!ウケル〜!優太の今の顔!
嘘だよ!ちゃぁんと覚えてるよ〜!』
優太は笑い転げてる私に無言で近寄り、後ろから羽交い締めにして脇をくすぐってきた。
『ギャーッ!やめてやめて!ゴメンッてば!アハハ!』
しばらくこうやって戯れていると、優太はくすぐる手を止めて後ろから私を強い力で抱き締めてきて、私の耳元でそっとつぶやいた。
「…よかった。」
あぁ…
“幸せ”って言葉があってよかった。
幸せ。
本当に幸せ…
だった…。
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きみの名を呼ぶ ©著者:金木犀
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