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7章:…瞳の色が消えた日。 (2/4)

玉子の焼ける甘い香で目が覚めた。 

隣を見ると寝ているはずの沙羅の姿が無くて慌てて起きた。 


『おはよ。…今日、天気いいからどっか行こう?』

沙羅の笑顔が久々に見れた気がして思わず俺も笑顔になる。

「…うんっ!じゃ俺、家から車持ってくるよ!」

沙羅が自分と同じ気持ちでいてくれたのが嬉しくて、俺は急いで自分のマンションに戻り、身仕度をして車で再び沙羅のマンションに向かった。 
幸いにも先週、会社の同僚に車を貸して綺麗に洗車されてかえってきたばかりなので、車がピカピカでさらに俺は気分があがってきて嬉しかった。

…こうやって行き来するくらいなら、いっそ一緒に住もうかな。 

などと幸せなコトを考えていた。 















優太はすごく楽しそうに、車のハンドルを握っていた。
考えてみれば最近は喧嘩ばかりで優太の困った顔しか見ていない気がする。
子犬のようなニコニコ笑顔をじっと見つめて、あぁ。やっぱり好きだなぁ。と実感した。 

今日は喧嘩せずに楽しく過ごそうと思い、優太の好きなCDを聴こうと考えてダッシュボードに手を伸ばした時に、足下に何か落ちてるのが目に入った。



…。 


……紙切れだった。


…何かのチケットの半券のようだった。 


「…ねぇ?これなに?!」

優太の運転している目の前にバッと見せた。 
自分でも顔が熱くなっていくのがわかった。頭は真っ白になり何も考えられなくなってきた。


優太はハザードランプを点けて車を路肩に停めた。

「…水族館の半券?」

『…ッ!そんなの見ればわかるよ!優太、先週仕事だったって言ってたよね?!
…先週の日付だよ!コレ!
誰と行ってたのよ?!』


「…沙羅…。
その日は仕事だったよ。先週は同僚に車貸してたんだ。彼女と出かけたんだよ。
…沙羅。俺が浮気するわけないだろ…?」


優太はハンドルにもたれかかりながら、私をなだめるように話した。 

『…ッ!証拠は?!
だったらその同僚に今すぐ電話してよ!』


優太は私の気を落ち着かせるためだろうか、優しく頭を撫でながら携帯を操作した。 
その、優太との感情の温度差がさらに私の頭は熱くなり、力任せに優太の手を振り叩いた。


―…バシッ!…― 

優太は一緒、驚いた表情をしたあとに哀しげに口だけ笑った。 


「―…もしもし?」
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きみの名を呼ぶ ©著者:金木犀

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