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7章:…瞳の色が消えた日。 (3/4)

「…ごめんなぁ〜休みのなか、実はさ…」

優太は私の感情を逆撫でしないように、同僚に話しはじめた。 
もし、口裏合わせられたりしたら…と私は疑心暗鬼になり優太がまだ話してる最中の携帯を取り上げた。 

『…もしもし。すみませんいきなり電話してしまって。
私、優太と付き合ってるものです…先週、優太に車を借りたと話を聞いたのですが…』

電話からは、低く穏やかな声が聞こえてきた。 

「…あっ。はい。借りましたよ…何かありました?」

『…どちらに行かれたんですか?!』

優太も、この同僚も冷静で…私一人で熱くなってきてなんだか自分が惨めに思えてきた。 

「…えっと…水族館に…」

―…ガンッ!…―


私はその言葉を聞くと、携帯を優太に投げ返した。 優太は携帯を拾って同僚に詫びを入れてから電話を切った。


私は狂ったように泣きじゃくりながら小さな子供のように膝を抱えた。 
もう自分でも何が悲しいのかも解らなかった。

優太を疑ってしまう自分。

優太を信じれきれない自分。

優太に優しくできない自分。 

こんな自分が本当に嫌いになる…。







―…カッチ…カッチ…カッチ…― 

やけにハザードランプの点滅音が耳についた。 
その音を聞きながら少し冷静さを取り戻してチラッと優太を見た。 

優太は座席に深く座り、ぼんやりと外を眺めていた。
なんだか深い…深い…私なんかいない別の世界を見つめている様で急に不安になった。


『…なんで黙ってるの…?』

「…」


『ねぇ?!なんで黙ってるの?』


「…沙羅。先に言うことがあるだろう?」

優太は真面目な顔で私の目をじっと見つめた。優太の大きな瞳は哀しげに潤んでいた。 


私は優太の言葉と真っすぐな視線にグッと声が出なかった。 
こんな時でも素直に謝ることもできずに、優太の視線に耐えられなくなり再び膝を抱えて顔を伏せた。 

いつもそうだった。 

そうやって私が不貞腐れたり泣いたりすると優太はいつだって、優しく頭を撫でながら“もう泣かないで。ほら。”と言いながらティッシュで私の顔を拭いてくれる。 
そうして最後にはギュゥッと力強く抱き締めてキスして仲直りできる。

“いつも”そうだった…。

“いつも”


優太に甘えたくて、優太に優しくされたくて、優太に私のことだけを見ていてほしくて… 


“いつも”


と同じ言葉を言った。
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きみの名を呼ぶ ©著者:金木犀

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