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9章:〜解〜 (2/69)




未歩は段々と激しくなる雨の中、びしょ濡れのままXに戻る道をフラフラとしながら歩いていた。



後少しでXに着くと言う時、何処からかいきなり傘を指した春奈が現れた。


未歩は春奈に気がつくと、ゆっくりと顔を上げた。



春奈「未歩、こっそり待ってたんだけ・・・・っておい、お前大丈夫かよ・・・びしょ濡れじゃねーか。」




未歩「・・・・・・・」



春奈「・・・ってか、ここじゃマズイから移動しよう。」



春奈は無言の未歩の腕を引っ張ると、路地の奥まで入っていった。



そこは何か建物の裏になっていて、その建物の非常階段の下でライトがぼんやりとついている雨がしのげるスペースに未歩を連れていくと、傘を置き、鞄からタオルを取り出すと、未歩の頭や体を拭いた。





春奈「・・・・・っっお前!!」


春奈が未歩の顔を拭こうとすると、未歩は無表情のまま、泣いていた。




未歩「・・・春奈ちゃん・・・・私・・・もう、疲れたよ・・・」




春奈「・・・未歩・・・」




未歩「親友も・・・大好きだった人も・・・いなくなっちゃった・・・・」



春奈「・・・・」





未歩「・・・・私・・・生きてる意味あるのかな・・・・もう・・・死にたい・・・」




春奈「・・・そんな事言うなよ!!」



春奈はいきなり声を荒げると、未歩の肩をガシッと掴んだ。




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X ©著者:百合蝶

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