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1章:白い部屋
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1章:白い部屋
目を醒ますと、強烈な白が私の目を否応なしに攻撃してきた。
もうそんな時間か、と枕元の時計を確認しようとする。が、伸ばした手が掴んだのは細長く硬いマジックペンだった。
「え...」
思わず声が漏れる。手に取ったペンをまじまじと観察してしまった。何もおかしなことのない、普通のペンのようだ。
体を起こしてみる。冷たい床の感触が体重を支えた掌を刺激した。
見渡せば、そこは真っ白な壁の部屋だった。窓はなく、黒い扉だけが不気味に空間を侵食している。
その侵食も折り目正しいものであり、整然としたこの空間を余計に現実離れしたものにしていた。
ふと視線を逸らすと、スケッチブックに何かを必死に書き留めている5人の女性がいた。否、全てを『女性』として区切るにはあまりに様々な年齢の人物がいたことを付け加えておく。
私は、ゆっくりと彼女達に近付いた。
「あの...」
声に、私と近い年頃であろう女性が反応する。その顔を見たとき、私はその後に言うべき言葉を見失った。
その女の顔面は、私と全く同じ作りをしていたのだ。
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