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5章:−抱かれていれば−
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ケンジがいなければ時間が、心がぽっかり穴があいたような気がする。
何かしていなければ。
専門にはもう願書を出していてあとは試験を待つのみ。
暇を持て余していたのでバイトをする事にした。
とあるレストラン
衣装も可愛くて、男女問わずお洒落な店員ばかりいて気になっていたお店。
面接官は雰囲気がまろやかで俳優さんみたいに格好良い人、店長の柏木さん。
柏木『ではいつから来れますか?
』
いちいち笑顔が眩しい。
白い歯に薄い唇、細身だけど男らしくてイタリアンな感じがする人だった。
アタシ『明日からでも…』
柏木『それでは明日6時〜よろしくお願いします。』
なんだかウキウキした。
バイトはした事あったけど、短期だったし。
アタシ
:
バイトする事にしたあ
サユミ
:
ケンジ心配しちゃうんじゃなーい?
アタシ
:
そうでもないみたい
サユミ
:
信頼しあってるんだねえ。いつから?
アタシ
:
明日からにした。どうせ暇だし卒業したあとまでお小遣い貰うつもりないからさ。貯金しないと。
まあバイトしたらお小遣い貰わないけどね。
サユミ
:
だよねえ。まあでも今はすねかじらせてもらうわあ、アタシは(笑)
次の日
学校から急いでバイト先に向かった。15分前にはついた。
事務所に行くと店長の柏木さんが事務作業していた。
柏木『おはよう。これに着替えたらまた来て。隣が更衣室だから。休憩もそこでね。』
着替えた。
黒いシャツに黒いパンツ、黒いエプロンで黒づくし。
髪をまとめて事務所に入る。
柏木『似合うねえ。はいこれ、名札
まずは簡単にMENUを覚えてもらって、ホールに入る時は手を消毒して。消毒は1日に何回もする事になるから手荒れしちゃう人もいるみたいよ。』
言葉遣いがやけにやさしかった。
ホールに一緒に出ると、staffはアタシを抜いて5人、他に調理場にいる。
この時間帯から結構入って来るらしい。
女の子のバイトは全部で3人、あとは男の子がほとんどらしい。
今日は1人いた。
夏実って名前で20歳
モデルみたいに綺麗な子だったし、感じの良い子だった。
背は175cmはあるだろう。
ちなみに店長はもう少し高いくらい。アタシからしたらみんな背が高い人だけど。一般的にはアタシはちびではない。
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