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2章:お客様御来店です (1/6)

2章:お客様御来店です


男の欲と女の金が舞うホストクラブ。


そんな欲望渦巻く汚い場所が
俺の職場だった。

元々頭が良い方だったのとそっち系の勉強をしていたお陰もあって簡単に女を落としていった。

ホストとして遅咲きだったが
No.2まで登り詰める事もできた。



今月の締め日まであと3日。
No.1との差は50万。

今日は一日中雨も強く降っていてあまり見込みがなかった。

固定客は風俗嬢ばかりで
彼女達も雨では商売にならない。



『蓮。今日はキツいな。』



No.1の恭介さんが俺の肩を叩く。

彼は入店してから一度もナンバーを落とさないカリスマだったがそれを鼻にかけない所が同僚からも好かれていた。


『恭介さんなら大丈夫でしょ。』


そう言うと恭介さんは

『お前は侮れないな!』

と笑って去っていった。


俺は恭介さんの余裕な態度にずっと苛ついていた。

いつか彼を越えてやる。

入店してからそれ以外の目標は持っていない。


情けない話だ。


親は高学歴を無駄にしたと俺を毎日のように詰って、俺は大学院の同期への劣等感に苛まれ、たかがホストの恭介さんを越えることしか考えれていない。


でもそれが現実なんだ。






『いらっしゃいませー!!』




威勢の良い声と共に店が開店した。


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不気味なお客様 ©著者:灰 ライカ

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