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9章:回想 (1/7)

9章:回想

思えばいつもそうだった

人を信じる事が怖くて

人に信じられないことが寂しくて

だけど誰かに側にいて欲しくて


【大丈夫だよ】って言われたら

【何が大丈夫なの?】って言い返すくせに

【勝手にしろ】と言われると

【ひとりにしないで】って泣きたくなる


きっと誰もがこういう矛盾を繰り返して

大人になって行くのかな。





翔と付き合ったときの出会いは部活だった。

気になってた翔から告白されて

幸せすぎて

楽しすぎて

有香の気持ちなんか考えたことなかった。


有香がなんでずっと彼氏を作らないかとか

そんなに深く考えなかった。


私が惚気話するときに時折見せる、緊張した顔にも深い意味はないとたかをくくっていた。


それが私の
いけなかったところ。


「もっと周りをよく見ろ」


きっとそれは


有香の気持ちを知っていた翔だから出た言葉だった。






これは後から聞いた話だけど

有香は私と翔が付き合ってるときに
何回も翔に気持ちを伝えていたらしい。

翔は断っていたけど

いきなり私と連絡が取れなくなったとき

「瑠羽は翔をたくさん裏切ったから連絡取りにくいんじゃないかな」

などと嘘をついて
気を引いたらしい
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MISS ©著者:如月 瑠羽

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