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山の底

完結

【小説概要】新人の時、たくさんいた仲間 No.1になったら誰もいなかった 孤独感が嫌だった。 でも負けるのはもっと嫌だった。 ※フィクションです。

  • 小説ID:30315
  • カテゴリホスト関係
  • ページ数:0ページ
  • 連載状況:完結
  • 総閲覧数:0件
  • しおり数:0人
  • レビュー:0件
  • 作成日:2012年3月7日
  • 更新日:2012年3月7日
寂しくてデリヘルを呼んだ。


人の体の温もりが冷えた心を包んだ。


聞けば自分よりひとつ下、20歳の女


裸で抱き合い
舌を絡め
後ろから抱き締め




このままでいいから
終わりまで
このままで…



肌同士が直で温度を伝える



微かな呼吸音を限りなく無に近づけると、相手の心臓の鼓動が聞こえてきそうな静寂の中…




感じた、ひとりじゃない。





自然と涙が出た。




女の子は反転して、抱きしめてくれた。



少し大きめの胸が心地よかった。




もうこの女とは会う事はないだろう。


時間が終わり、1人になったら前より孤独になった気がした。



出勤時間が迫り、急いで支度する。



店まで徒歩5分。
繁華街を小走りして店に出勤すると、ほぼ全員揃っていた。



先輩に挨拶をし、客予定を伝える。



「今月もコウキがNo.1だな。」

傍で予定を聞いていた代表が話しかけてきた。



「いやいや…まだ月の半ばじゃないですか。代表だって今月来てないお客様いっぱいいるじゃないですか?」



「ほぼみんなとケンカしててさ。余力ないよ。」



周りの幹部達も、みんな口裏を合わせたかのように、俺も俺もと口走る。




代表に肩を叩かれた。



「今日、ヒマそうだから。」




もう一組くらい呼んでくれ、という事か。





…孤独だ。





子供の頃、富士山の写真を見て感動して、登ってみたいと思った。

日本人の半分くらいは機会があったら登りたいと答えるのではなかろうか?


でも



時間がない
疲れるから



いつしか何か理由を付けて。




頂きからの景色を見た人どれくらいだろう。




街に行けば人がたくさん溢れているが、山のふもとには街ほど人はいない。


上に登れば登るほど、木々も動物も人も減っていく。



コウキは自分の置かれている状況と同じだと感じた。



違う部分があるとするなら、きっと富士山の頂きの景色より、コウキの見ている景色は汚れているのではないか?



夢を見てホストになった大勢の人が、いつしか辛さに心折れ、頂きを見て見ぬ振りをし、自分の位地に安定を求め出す。




コウキは孤独に負けて、翌月またデリヘルを呼んだ。



仲間が欲しい。




本気で喜怒哀楽を分かち合える仲間が。

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著者: kakeruさん

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山の底 ©著者:kakeru

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