なんでも話せてなんでも頼れる自慢の兄であった秀が、ある夏、なんの前ぶれもなく突然自殺する。妹であるサヤと弟であるリョウは、突然の出来事に納得出来ず、二人でこっそり死んだ兄のPCを調べ始める。そこには、数年も前から自殺サイトのコミュニティーに参加し、とあるデリヘル嬢「百合(ユリ)」に熱烈に恋をしていた、サヤとリョウには全く知らない兄の姿があった。一体、本当の兄はどんな人物であったのか、全くわからなくなり、誰を責めても帰ってくることはない兄の死を受け入れられないサヤはそのデリヘル嬢「百合」に真実を確かめたいと思い、自ら兄の呼んでいたであるらしいその女性がいる店に電話をし、デリヘル嬢になって彼女に近づくことを決意。デリバリーヘルスと言う職業がどんなものかも知らなかったサヤは、そこで全く知らない世界がこの世の中にあることを知る。そしてようやくサヤが探していた「百合」と出会えるチャンスを得るが。。。兄の自殺、そして家族のあり方、そして風俗という世界で生きる人たち、それらを通し、サヤなりに自問自答を繰り返していく中で、答えを見つけようと必死に自分の足で歩いていこうとする、その生き様をリアルに書けたらいいなと思います。