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七斗さん

金曜日の☆みぃ☆さんへ

「七㌧、ランチはやっぱりお寿司にする? せっかく銀座に来たから“久兵衛”かな」

「☆みぃ☆、もっとレアな店に俺が案内する。会わせたい友人も呼んでいるんだ」


つい☆みぃ☆の手を引いてしまった。俺の女神。優しくて秀麗な女性。いつもーーずっと長く俺を見守ってくれている。ありがとうな。以前急に連絡を取らなくなった事もあった……本当にごめん。


「おっと! いけない。ミセスだったね☆みぃ☆は」

解っているくせにわざと言う。俺は☆みぃ☆を銀座“魚治”に案内した。一、二階ともカウンターのみの一流の鮨店だ。


「今日は二階だよ……二階はね」

魚治の二階は、一般客は入れない。店が認める、選ばれしひと達のみが肩を連ねる。


「おまたせ」

七斗が着物に羽織姿の若い男性に声を掛けた。


「☆みぃ☆、こちら歌舞伎俳優の田原新右衛門。もうすぐ十二代、仙太郎を襲名するんだ」

「わぁ! はじめまして! もちろん存じ上げています。お会い出来て嬉しいです」

そこはかとないオーラを漂わせたその俳優は、にこやかに挨拶をした。

「新右衛門です。七斗とは、ずっと飲み友達。いや、腐れ縁?」

「おい、ひどいな。俺はお前を尊敬してるぞ。実力でよくここまで……」


「そうなんですね……ん……顔色が余り良く無いんじゃないですか?」

☆みぃ☆が控え目に言う。


「俺も心配してるんだけど、こいつ大丈夫の一点張りでさ」

「いいんだよ。俺のことは。さぁ、七斗、今日はご馳走してくれるのかい? 綺麗なご婦人だね。そうだ、良かったら襲名公演を見に来て下さい」

チケットを二枚差し出した。


「いいんですか。え? それも初日の昼の部? 行きます、ね、七㌧!」

「あ、俺は完売だったから他の日のチケットを買ったんだけどーー初日は嬉しいなぁ。また☆みぃ☆ともデート出来るし」

「そうか。揃ってぜひ来てくれな」

新右衛門は目力熱く、何かを伝えたそうに二人を見詰める……


お絞りが出て、笹の葉がすっとカウンターに敷かれた。

「何か切りましょうか。お飲物はビールで宜しいですか?」

居住まい正しい板前が、ツケ場から三人に声を掛けた。

ーー終ーー

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