なんでこんなにも苦しまなきゃいけない？
なんでこんな外見なんだろう？なんでこんな性格なんだろう？

人は誰しもコンプレックスを持っている生き物だ。コンプレックスがない人なんかいない。

主人公Sはコンプレックスの塊のような少年でコンプレックスの海に溺れていた。


北関東の田舎のY市、ある中学一年生の少年S（以下S）がいた。
彼は太っていて気弱で学校の成績は下の中ぐらい、部活はバスケ部所属だがヘタの部類に入るレベルで他にこれといった特技も無くて女の子にモテる要素なんか1ミリも存在しない気持ち悪いダメな少年。Sは常々女の子にモテたいと考えていた。だが世の中そんな甘くはないものだ。女の子からデートの誘いなんか来ない。家でも学校の教科書なんか開かずに男の参考書エロ本を開き毎晩オ○ニーに精を出していた。終わった後は決まって先輩に教わったタバコを吸いながら尾崎豊の曲を聴いていた。

Sはその度に「オレにも彼女が出来るのかな？童貞をいつ捨てられるのかな？」みたいなどうしようもなくしょうもないことばかり考えていた。