次の日、なつさんと約束した場所に向かった



マンションの３階、なおさんの　部屋からなつさんが出てきた



俺は入っていいものなのか正直　戸惑った…


なつさんが『見せたいものがある』と言ったので中に入った


部屋はきちんとかたずけられていて清潔感が感じられた。


部屋の真ん中に小さな箱
なおさんの写真



俺はなおさんの『死』を
改めて実感した……



なつさんがゆっくり話し始めた


なつ『なおが亡くなったことすぐに話さなくてごめんなさい。なおとの約束だったの…きっと迷惑かけたくなかったんだと思う』

俺　『迷惑だなんて…』

なつ『病室にあったから』


一枚の紙を渡された



空へ

空に会うたびに弟のことを　　　思い出したよ
年が離れていることもあって
弟との距離が縮まらなくて


やっと姉弟らしくなりかけたら、交通事故で亡くなってしまって…


そんな時、空に出会ったの
空には申し訳ないけど
弟と一緒にいる様で楽しかった


短い間だったけど、空に
出会えて本当に良かった


これから先も空らしく
頑張って生きて下さい


私は本当の弟に会いに
行ってきます


空　ちょっとだけ……
好きになりかけてたよっ


　　　　　　　姉　なお





俺は声を出して泣いた


なつさんも一緒になって
泣いていた



俺はなおさんが天国で
幸せに家族と暮らせることを
なおさんのお骨の前で祈った。