ついに彼はキスを許した。

彼はただ動かなくて
されるだけで
唇と唇が重なっただけのままで…



ｱﾀｼは…
引き止めて欲しい思いなんて消えて
彼の優しさと
切なさと
自分の愚かさで
息ができないくらぃ胸が
苦しくなって

そのまま
唇が重なったまま




涙がﾎﾟﾛﾎﾟﾛこぼれてきた。

キスをして泣いたのは
初めて…
こんなに切ないキスも
生まれて初めてだった。



唇を離して
涙でぼんやりしか見えない彼の目を見て



｢ごめん…本当にごめんね｣


そう言って
彼を抱きしめた。


ｱﾀｼなんかより
ずっと辛くて
悔しかったくせに
ずっとこらえてて…


そして彼は最後まで大人で
ｱﾀｼを抱き寄せることもなく…


｢やだ。許さねーよ（笑）｣
そう言って
抱き着いて離れないｱﾀｼの肩をそっと離した。



優しく微笑んだ
彼の顔…

今でもはっきり覚えてるし
忘れるわけないもん。。





本当にごめんね…
何度謝っても
許されないし
ｱﾀｼがしたことは
これからもｱﾀｼを苦しめる。。
それが
償い…
愛してる人を裏切った罰。一生背負うの。



だって
今でも好きだし
これからもずっと愛してる。


あなた以外の人を
もう愛したくないし
愛せないから。