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5章:出会い、二。
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「石、て」
「判ってるでしょ?ね。」
わかってる。あの石のことだ。間違いない。
「うん、そう。あ、早とちりしないで、別に欲しいとか寄越せとか、そういうことじゃないから。」
かすかに、ホッとした。そして、俺はポケットから石を取り出した。
…実は、俺は石をずっと持ち歩いてる。ギリギリ邪魔にならないサイズだし、なにより持ってると安心感というか…つまり、お守りみたいなもんだった。
「お守りっていうのは、ちょい違うんだよね。ちょっと見せて」
テーブルの上に掌を開いて、石を見せる。
「うん、間違いない。サキくんは完全に石の持たれ主。」
「持たれ主?持ち主じゃなくて?」
「そ。持たれ主。その石はね、人を選ぶの。選ばれた人は、死ぬまで石を手放せない。」
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赤い石の話。 ©著者:至音
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