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20章:罠、六。
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「いってらっしゃい」
そう言って卓を送り出してくれるハジメさん。
俺は、あきちゃんの待つ卓に向かった。
ヘルプの子とは、一言も話してなさそうな重い空気が流れてる。
「おはよ、あきちゃん」
「おはよw」
福の神のような笑顔。
丸々とした顔は、かすかに上気していた。
ヘルプの子に、大丈夫と言って席をはずしてもらう。
…まずは、あきちゃんの話を聞くことにした。
「今日は、飲みたいの」
「ん?お酒?」
「うん」
あきちゃんは、バッグから封筒を取り出した。
薄黄緑の封筒には、見慣れた銀行の名前が書いてある。
「そのためにお金、おろしてきちゃった」
はい、と、封筒を渡される。それは、結構な厚みがあった。
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赤い石の話。 ©著者:至音
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