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1章:雨のリズムとコイバナ
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1章:雨のリズムとコイバナ
朝日が地上に顔を出す頃、私はようやく床に就く。
今日は雨が降っている。
トタン屋根を打ち付ける雨音は、ヘタなJ-POPやROCKよりもよっぽど心地良い。
タタタン、タタタン。タントン、タントン。
ちょっぴり心臓の音にも似ている。
今こうしてキーを打っているけれど、その前に布団の中でどう書こうかシュミレーションする。
しかし、起きたときには大半は忘れていることが多い。
実際、昨日はあんなに色々考えていたのに、まだこれだけしか打てていない。
人間の脳みそにもハードディスクのようにメモリ機能があって、いつでも情報を引き出せればどんなに楽だろうか。
逆も然りで、イヤなことはどんどんデータ消去。
そうしたら、この私のtoo negative spiritも起動せず、どんなに楽なことか・・・。
布団の中では、400字詰め原稿用紙に20枚くらいの勢いで、色々思い付いたのに、いざパソコンの前に座ると、思うようにアイデアが浮かばない。
そうだ、コイバナ(恋の話)でもしよう。
どうにも私には悪いクセがある。それはダメンズウォーカーだってこと。
毎回毎回懲りもせず、ダメな男ばかりに恋をする。
っていうか、それはそもそも恋なのか?それすら疑問である。
一番最後に付き合った男も相当ダメな男だった。
あれは虚言癖としか言い様がないほどの大ボラ吹き。
どんな大ボラか?って?あまりにもくだらなすぎる。
仕事のこと、兄弟のこと、何もかもが嘘で固められていた。
その嘘を突き通すことが出来ない、と〜ってもバカな男。アンヨを隠しても、耳と尻尾が出ている狐のように、完璧を通せていない。ボロが出ているのだ。
それに増してバカなのが私。
そのバカな男に散々振り回されていたのだから。
どうして、こう私も救いようのないバカなのか、自分でも情けなくなってくる。
本当に情けない。自分に同情されちゃってるよ、私。更に情けなさが増す。虚しい以外の何物でもない。
でも、こんな私を私は嫌いじゃない。とっても可愛い。よく、可愛さ余って憎さ100倍なんて言うけれど、私の場合は逆。憎さ余って可愛さ100倍。
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