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4章:同じ名前の少年 (4/5)

「―…お兄ちゃん?どうかしたの?」


少年の声に俺はハッとした。

『あ…いや。…この猫っていつもと違うところない?』

「?…ううん。いつもと変わらないよ?」

…俺の気のせい…?

…見間違い…? 

いや。たしかに2本あったはず…。



―…ニャァ〜ニャ〜…―

「…お兄ちゃん。サッカー上手だね!僕リフティング3回までしか続かないんだ…」


少年は、ほら。と言うふうに、リフティングをして見せた。
4回目で少年は見事に空振りして滑って転んだ。
少年は子供らしい笑顔で、えへへ。と笑った。



『…ハハッ。いいか…もっと膝をやわらかくして、ボールをよく見るんだ。』

「こう?お兄ちゃん?」


俺はしばらくの時間、少年とリフティングやパス、シュートなどサッカーの練習をしながら遊んだ。


…が。 


日頃の運動不足と暑さ、そして二日酔いで速攻バテた。

『…はぁはぁ。ちょ…ちょっと休憩…。はぁ…なんか飲み物買ってくっから…』

…情けない。

もちろん少年は暑さで頬を赤くしてキラキラと汗をかいていた。


……ちくしょう。


……………若いっていいな。


公園の脇にある自動販売機でジュースを2つ買い、少年が座って待っているベンチへ戻った。


『…ほれ。これで良かったか?』

少年はヘヘッと照れながら笑い。 

「ありがとー!お兄ちゃん!僕このジュース大好き!」

2人でジュースをグイッと飲むとCMのキャラクターのように、ぷはぁっ。と息をはいて少年と顔を見合わせて笑った。 

『…そーいやぁ、名前聞いてなかったな。』

少年はジュースをもう一口飲むと手の甲で口を拭い、笑顔で言った。

「…僕、りょうやって言うんだ。9才!…お兄ちゃんは?」

俺は思わず咳き込んだ。 

『…ゲホッゴホ。…お…お前、りょうやって言うのか?…どんな漢字書くんだ?』

少年は指で地面に漢字を書いた。 




涼哉




…と。 

まったく同じ名前に親近感を持ちなんだか俺は嬉しくなった。

『…ハハッ!そっか!…俺も涼哉って言うんだ。…28才。よろしくな。』

「…本当に?!すげー!同じ名前だね!…ヘヘッ。よろしくお兄ちゃん!」


それから、俺と同じ名前の少年りょうやと学校の事、友達の事…担任の先生が好きな事。
公園の片隅に止めてあった、ママに買ってもらったばっかりの真新しい緑のマウンテンバイク。
りょうやは笑顔でいろんな事を話してくれた。
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黒の扉 〜トパーズ〜 ©著者:金木犀

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