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2章:菜々美と言う女 (4/4)

それからの高校生活は本当に…本当に楽しかった。 

隣にはいつも菜々美がいて笑っていた。 


菜々美が笑顔になると、俺はめちゃくちゃ幸せで、いつまでも本当に菜々美を守っていきたいと、幸せにしたいとガキながら思っていた。 


だけど… 




俺の大学の合格通知が届いて、菜々美は本当に自分の事のように喜んでいたのに…

次の日…







冬の寒い日だった。 








菜々美は忽然と姿を消した。 






もともと祖母に育てられて、菜々美の高校卒業間近に他界してしまい、菜々美の行方を知るものは誰もいなかった。





俺はせっかく受かった大学を蹴り、家を出て今のホストクラブで働き始めた。


あれから10年…。



ホストで働いて俺は何も得るものはなくただ毎日をすごしているだけだった。

俺は運転に集中しようと気を取り直してぼーっとする頭を軽くふった… 

その時…! 
目の前を黒い何かが通り過ぎ俺は慌ててブレーキを踏んだ。 
たいしてスピードを出していなかったので車はすぐに止まった。

俺はすぐに車から降りた。
するとそこには、一匹の赤いリボンの首輪をした黒猫がちょこんと座っていた。
俺は近くに駆け寄ると黒猫は逃げもせずにジッと俺を見つめていた。

『…ケガ…してないみたいだな。
よかった。
…お前…綺麗な瞳の色だな。左が金色で右が深い緑色…変わってんな。』

俺はその黒猫を撫でようと手を伸ばしたときに、その黒猫の異常さに驚いた。 
艶々とした綺麗な毛並みにそのしなやかな動きをするしっぽが―…

『―…!?…し…しっぽが……2本ある…?!…―』

黒猫は変わらず俺を見つめると軽やかに俺の頭の上をヒョイと飛び越えて塀に登った。 

―…ニャァ…― 

と一鳴きすると、塀の上を器用にトコトコ歩きだした。 

不思議とこの時俺は、この猫の異常な姿に恐怖心よりも―… 

そう。好奇心が胸に広がっていき、その黒猫の後を追う事にした。 


そして俺は、思わぬ再会、幸せな出会い…そして、悲しい別れをすることになる…。

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黒の扉 〜トパーズ〜 ©著者:金木犀

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