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18章:終結
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梨香と真美が寝室に籠って一時間七分
何かを話してる声は時折聞こえる。
北川さんが言ったように、危害を加える事はなさそうだ。
でもいつ牙を向くかわからない。
俺の知ってる梨香じゃない。
―――――カチャ
皆が一斉に寝室のドアに集中する。
そこに立っていたのは真美だった。
「真美っ!!!」
俺は一目散にかけより、抱き締めた。
「苦しいよ…大樹…痛」
はっと我に返り、真美の顔をみると笑っていた。
―――ああ、よかった…本当に…よかった…
北川さんが駆け寄り、寝室に行こうとした。
俺から離れて、真美が寝室の前で両手を左右に広げた。
そして指を差し、リビングの奥へ誘う。
そして小声で話し始めた。
「梨香は自首すると言ってます。説得しました。部屋の構造上、寝室の窓から逃げることは出来ません。だから少し待ってもらえませんか?お願いします。」
真美は北川さんに頭を下げた。
横で聞いていた健次が「真美ちゃん…それ本当?」
と、涙ぐみながら言った。
真美は健次を見ながら、大きく頷いた。
健次は
「よかった…」
と安堵して、北川さんに
「俺からもお願いします。」
と頭を下げた。
北川さんは腕を組み、しばらく考えると
「…わかった。じゃあ待ちましょう。あなたが無事だった訳だし。」
と真美に優しく微笑んだ。
真美は泣きそうな顔をしながら
「ありがとうございます!」
と言い、何度も頭を下げた。
俺は…真美が無事ならそれでよかった。
そして俺達は、またリビングの中央に集まり座って梨香が出てくるのを待った。
でもさっきまでと違う。
ここには真美がいる。
真美は俺の横に座って、肩に寄りかかった。
「体調は大丈夫か?そして…」
真美は上目遣いに俺をみて
「大丈夫。多分…この子もね。」
とお腹を触る。
俺は涙が出た。
――――よかった…
「やだなぁ。泣かないでよ。ね?パパになるんだから。」
とからかうように笑った。
「バーカ。泣いてねぇから。」
涙を拭った。
俺は幸せを噛み締めていた。
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―深愛―果てにあるもの ©著者:まいん
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