ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

17章:緊張 (2/8)


異様な緊張が走り額に汗が、じわりと滲む。


梨香は振り向き、アタシの腕を掴み、寝室へ引っ張るとドアを閉めて鍵をかけた。


「・・・だから出ていってって言ったのに。こんな事、やりたくなかった。」


呆然としてるアタシの両手をあっと言う間に後ろで掴み、手錠をかけた。


――――梨香・・・


沢山の足音が聞こえる。

静かに、探し回るように。


梨香の息が荒い。

「梨香・・・落ち着いて、おねがい・・」

「真美っ!!!」


―――っ大樹!!!!


「ここか?梨香、開けてくれ!真美を・・・真美のことを本当に好きなら、解放してくれ・・・」


大樹・・・


涙が一気に溢れだす。

ふと梨香を見ると、なんとも言えない、全てを諦めたような、それでいて怒りが奥底で燃えているような目をしていた。

こんな目をしている梨香を大樹に会わせる訳には行かない。


「大樹!アタシは大丈夫だから。だから帰って!お願い…」


今は……。

アタシが梨香を説得してみせるから。


「真美、よかった……よかった…。でも俺は帰らない。梨香、頼むから………」


複数の足音が止まった。

静まりかえっている。

梨香はアタシの手錠に手をかけ、声高らかに笑い出した。


「〜ははっ、おっかしぃ〜……笑える。大樹さん、あんた邪魔。真美ちゃんのことを本当に好きなら、周りの人みんな引き上げてよ。…死んで欲しくないでしょ?」


沈黙が流れる。


アタシは梨香を見る。

もはや、梨香の目には誰も写ってない。いや、写らないだろう。


「梨香、落ち着いて、お願い。アタシはどこにも行かないから。ね?」


そう言うと、梨香はアタシの手錠から手を離した。


黙ってアタシを見つめ笑いながら。
そして、おもむろにこう切り出す。

「真美ちゃん、さっきの話の続きを聞かせて?外にいる人達にも聞こえるように、ドアの前でね。」


――――梨香……
アタシは……


何も答えられず、立ちつくしていた。

この話しをすれば、アタシはどうなるかわからない。

「ねぇ!早く!」


梨香に促され、さっきよりも、もの凄い緊張感に包まれながら、アタシは話しだした。


「アタシのお腹の中には……赤ちゃんがいるかもしれない。」


梨香は薄く寂しそうに、笑った。



120 /145

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

―深愛―果てにあるもの ©著者:まいん

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.