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16章:謎解き (12/13)


動揺している梨香をよそに、なおも激しくドアを叩く。

「梨香、よく聞け!お前に逮捕令状が出てる。刑事殺しだ。真美ちゃんは無事なんだろ?俺と…俺と一緒に逃げよう!もうすぐ警察がくる!」


カタカタ震える梨香の肩を掴み
「梨香!しっかりして!アタシはいいから早く逃げて!」

と言うと、我に返り寝室へ鍵を取りにいった。

アタシは健ちゃんに聞きたいことがある。

「健ちゃん!アタシは大丈夫だよ!大樹は?大樹はいるの?」

一瞬ドアを叩く音がやみ、戻った梨香が鍵を開ける。


ドアの前には少しやつれた健ちゃんが立っていた。

「よかった…大丈夫だとは思ったけど、二人とも生きてた。ほんとよかった……。」


少しやつれた感じの健ちゃんは、ほっと安堵の表情を浮かべた。
目にはうっすらと涙がたまってる。


「ねぇ、健ちゃん。大樹は?」

こう聞くと少し目を伏せながら、

「大樹さんは無事だよ。だけど、ここにはいない。俺一人で来たんだ。」

と言った。


少し不安になりながらも、今はその言葉を信じた。


「なあ梨香、もう時間が無いんだ。な?行こう!俺がなんとかする。だから…」


梨香はゆっくりと口を開いた。

「行かない。どうして梨香が健ちゃんと逃げるの?」

冷たい視線を健ちゃんに投げかける。

健ちゃんは、なおも説得を続けた。

「いや、梨香が真美ちゃんを愛していたのはわかった。けど、そんな事はどうでもいいんだ!」

梨香はため息を吐きながら、

「マジでウザイ。利用されてたのわかんない?あんたは真美ちゃんの事があったから、寝てただけ。あの時の家族話も聞いてて気持ち悪かった。マザコンじゃん。」


すらすらと健ちゃんの心をえぐるような言葉が出てくる。

健ちゃんを見ると、みるみる内に顔色が変わってきた。

真っ青な悲しい顔。

「梨香…。」

梨香は背を向けて

「帰ってよ。早く。あ〜マジ疲れる。」

そう言い残し、寝室へ入っていった。

残されたアタシと健ちゃんは呆然と立ち尽くす。

やがて健ちゃんが心なく笑った。

「…はは、俺ってバカじゃん。」

アタシは何も言えなかった。

寝室から声がする。

「ね〜真美ちゃん、ちょっと来て〜。」


アタシは返事が出来なかった。

すると健ちゃんは静かに出ていき、ドアを閉めた。

寂しげな車のエンジン音が聞こえた。

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―深愛―果てにあるもの ©著者:まいん

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