ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

15章:困惑 (12/13)


長い沈黙。


そして重い沈黙だった。


突然、健次が笑い出す。

「何言ってるんすかぁ〜!真美ちゃんをストーカー?刑事を殺した?ありえませんよ〜!悪い冗談やめてくださいよ〜アハハ」


俺は答えない。


「・・・・まさか、ウソでしょ?あいつが・・・そんな事するわけない!」


床をドンと拳で叩く。


俺は静かに口を開いた。


「いや、冗談じゃない。本当の話だ。それにさっき言ったけど、反論は認めない。これから俺は北川さんに協力してもらって、梨香の実家に向かう。急がないと真美が危ない。」


健次は納得できないと吠えた。

だが、俺の気持ちは変わらない。


「お前は自宅に一度戻れ。必ず連絡するから。北川さん、何か聞くことありますか?」


呆然とする健次を見て、北川刑事は首を横に振った。


「じゃあ行きましょう。健次、梨香から連絡が来たら、必ず教えてくれ。」


「・・・・。」


健次はまだ動かない。返事もない。

考えがまとまらないのだろう。


無理もない。
惚れた女が、親友をストーカーして刑事を殺して・・・

俺だったら、どうするのだろう。

「健次。落ち着いたら、帰れよ。鍵は郵便受けに入れといてくれ。ここに置いていく。」

俺はスペアの鍵を靴箱の上に置いた。


靴を履いて玄関を出ようとした瞬間、
健次が
「俺も行きます。連れていってください。」とかすれた声で言った。

俺と北川刑事は顔を見合わせる。

なおも健次は続ける。
「お願いします。結果はどうあれ、見届けたい。そして、側についていてあげたい。」

今にも泣きそうな声で力強く訴える。

俺はまた、北川さんを見つめた。

北川さんは一瞬顔をしかめたが、少しの間のあと頷いた。


健次を見ると、哀願するような目で俺を見ていた。

「・・・・いいのか?今まで何も知らなかったって事は、梨香に裏切られてるんだぞ?これからもっと辛い事があるかもしれないんだぞ?それでも」

俺の言葉を遮るようにして健次がキッパリと言った。

「かまいません。元々俺が一方的に好きだったんだ。大樹さんや刑事さんの話しが本当でも、俺はあいつが好きです。」

意思は変わりそうにない。
「・・・わかった。じゃあ行こう。」


もし俺だったら―――

健次と同じ事を言っただろう―――



104 /145

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

―深愛―果てにあるもの ©著者:まいん

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.