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15章:困惑 (2/13)


目が覚めた。
結構、寝た気がするけど部屋の中はまだ暗かった。

手探りで窓まで行きカーテンを開けると、もう明るい。

「遮光カーテンかぁ。」

時計を見ると、9時08分。


梨香はまだ帰ってない。


―――昨日の出来事は現実なのか――――

・・・まるで夢を見ていたかのよう。

でもその希望は打ち砕かれる。


今この部屋にいることが現実を物語っていた。


テレビを付ける。
チャンネルを適当に代えてると、梨香のマンションが映っていた。

画面には『失踪した二人の女性!なぜ刑事は殺されたのか?』
と書かれている。


『―――と言うわけで、まだ女性は見付かっていません。以上現場からお伝えしました。』

わりと綺麗な女性レポーターが話していた。

場面はスタジオに切り替わり、40代位の男性アナウンサーと若い女性アナウンサーが映し出される。


『それにしても、・・・。この女性二人が鍵を握ってることは間違いないでしょう。特に安田さんが亡くなっていた部屋の借り主の女性。殺された安田さんには一体なにがあったんでしょうか。』

――――女性二人とはアタシと梨香の事だろう。


梨香は安田って人を殺したんだ。
顔写真と名前で、一度会ってる事を思い出した。


優しい感じの人だった。

梨香は何故、この人を殺したのかな。
そして・・・
大樹は今、どうしてるんだろう。


いろいろな考えが頭に浮かんでは、消えていく。


梨香がいない事に、アタシはホッとしたような寂しいような、不思議な気分だった。


トイレへ行き、昨日の梨香が何かを埋めていた場所を窓から確かめる。


うっすらと雪が地面を覆っており、場所が特定できなくなっていた。


――――体がだるい。

これからどうなってしまうんだろう。


リビングへ戻り、煙草に火を着けた。


――――梨香はどこへいったんだろう。


アタシは以外と冷静だ。

大樹に会いたい。。。


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―深愛―果てにあるもの ©著者:まいん

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