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7章:疑心
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「さっきも話した通り、多分真美ちゃんは襲われていないと思う。」
俺はなんとなく、椅子に座って水を飲んでる、梨香のネイルを見ていた。
「・・・なんで?」
俺はまた、寝ている真美を見た。
「確かに服は来てなかったけど、下着姿だったし、コートも着てたし・・それと梨香も心配で・・・真美ちゃんのアソコ・・・見ちゃったの。乱暴された形跡はなかった。」
「・・・・そうか。」
ヤラれたか、ヤラれてないかなんて・・・
正直今は、どうでもよかった。
ただ俺は・・・
あいつを一人にした事を悔やんでた。
ごめんな真美。
一人にしてごめん。
「それで・・・警察には連絡するの?」
それは迷ってた。
本人が覚えてないなら、俺達二人の胸にしまっておくのが一番だ。
下手に警察に行って、本人に思い出させたくない。
ただ、またこんな事があるかもしれない。
「大樹さん・・・とりあえず様子を見よう?梨香もなるべく真美ちゃんの側にいるから。真美ちゃんの心が傷つくのは・・・嫌。」
確かに・・・
俺もそう思う。
「―――わかった。じゃあ様子を見て、決めよう。俺も真美が警察に行って、色々聞かれるのは辛い。」
梨香は2〜3度頷いた。
「大樹さん、店にはなんて?」
「・・・・店には、体調崩してしばらく休むって言う。梨香も話し合わせておいてくれ。」
これを期に、辞めてもいいだろう。
「ん、わかった。じゃあ梨香はそろそろ帰るね。」
梨香は帰り支度を始めた。
「ああ、今日は梨香ありがとうな。お前、タクシー呼ぶからそれで帰れよ。」
携帯でタクシーに電話をかけ、住所を伝えた。
「じゃあ、なんかあったら連絡してください。梨香起きてるから。」
梨香を玄関まで見送る。
「ああ、わかった。」
梨香が帰ってから、冷蔵庫にある缶ビールに手をのばす。
――――旨くない。
ベッドの側に行き、椅子に座って真美を見た。
本当にごめん真美。
お前をこんな目に遭わせたのは、重要視してなかった俺の責任でもある。
お前が目覚めた時・・・
なんて話そう。
お前は憔悴した俺を見て、多分笑ってこう言うだろう。
「大樹、気にしないでよ。アタシは大丈夫だから。」
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―深愛―果てにあるもの ©著者:まいん
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