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9章:一人きり
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9章:一人きり
母は、いつの間にか
朝、昼、晩と仕事をしていた
いつの間にか
寂しい毎日になっていた。
朝起きると
母は忙しそうに
「行ってくるね。」と言い
家を出る。
私は一人で学校へ行く準備を済まし、学校へ向かう。
家に帰ってくると
机の上には
置き手紙と、お弁当。
置き手紙には、
「食べてね」
と、一言。
手料理は食べられず
お弁当の毎日。
久々に母の手料理が食べたいなと、想いながら黙々とお弁当を食べた。
深夜に母は帰ってくると、
台所で足で床を強く踏みながら
吐いている母が居た。
私は起きている瞳を
ギュッと瞑るけど…
母の辛そうな姿を毎日見ていた。
どうして吐いているのか…
わからない。
時は立ち、
私は中学生になっていた。
今、思えば
私を一人で育てる自信が
余り無く
お金がかかる私のために
一生懸命、働いてくれていたんだな、と思うよ…。
あんな母を毎日のように
見るのは辛すぎて
痩せ細ってゆく姿にも
胸が痛んだ…。
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