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1章:プロローグ (2/4)

会社に遅刻した時だった。

とある駅まで電車を寝過ごしてしまい、駅のホームで半分寝ている様な姿勢で俺は駅のベンチに座っていた。


俺は思った。「しかし朝が来るの早いよな」帰宅時間が遅い俺にとって朝は本当に辛い。



「プーップーッ」この駅では止まらない急行電車が警笛と共にやってきた。


「お、下り電車きたかな?」目を開き電車を見ようとした。その時だった。


10メートル位離れた所から電車と平行にこちらに女の人が歩いてくる。ものすごい顔の女の人が・・・。


顔が全て焼け爛れ、目が半分飛び出ており、口は耳の方まで広がっていた。
貴婦人が被る様な大きく黒い帽子と黒い上品なドレスを身にまとっていた。



唖然とした俺は思った。「ここまで焼け爛れて動く事ができるのか?」あまり見てはいけないと思い俺はそのまま目を閉じた。



しばらくして目を開くと丁度俺の前を通り過ぎる手前まで来ていた。



「俺の座っているベンチの横が空いている」



「怖い」俺は思った。


何が怖いのか正確言えば、「オーラが怖いのだ」


他人の俺でも感じ取れるとてつもない悲しみに満ちたオーラ。


彼女は今にも倒れてしまいそうな位細い体で、よたつきながら俺の前を過ぎ去り、ホームの一番隅まで歩いていった。
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HOSPITAL ©著者:小上晴

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