37章:happy weekend (5/5)

湖畔のベンチに座り花火が始まるのを待ってると、

腕を組んで歩く男女を見て、

『アベックが多いな』

「オヤジ臭い言い方しないでよ〜カップルって言ってよ」

『どうせオヤジですから』

亜梨紗は微笑みながら桑野にピタッと寄り添うと、

『ノーブラか』

「うん、浴衣の下はタンクトップだけよ」
(少しドキッとしたかな)

『いいね〜軟らかくて気持ちいいよ』

「エロオヤジ」

『ちなみ、まだ34なんだけど』

「30を過ぎたらオヤジよ」
(じゃ〜私はババァだ)

亜梨紗は桑野ｻﾝと呼ぶたく無いらしく、

「雅幸ｻﾝだから、マー君って呼んでいい」

『どこかのピッチャーみたいだな好きに呼べよ』

【ド〜ンド〜ンピュルルゥ】

左側の方から、船から花火が上がり、

「うわ〜綺麗」

花火大会が始まりました。

時折に花火の明かりで見える桑野の顔を下から見上げて、目が合いキスをして欲しい亜梨紗ですが何も有りません。

「今の花火、綺麗ね」
(なんでキスしないのよ)

『そうだな』
(こいつキスされたくてウズウズしてるなタップリ焦らせてやるかな)

ロマンチックな雰囲気なのにキスも無く
花火は終りました。