9章:依頼人 (2/20)

でも、依頼されたからにはしっかり調査しなければならない。

もしかしたら、本当にお互い浮気をしているかもしれない。


悦子はこういうめんどくさい依頼の時は、たいていｱｶﾈに調査させる。

それに、依頼人のどちらとも悦子に依頼してきたため、悦子があまりにもウロウロしたら、お互いに浮気調査を依頼していることがバレてしまうかもしれない。

ｱｶﾈはしぶしぶ依頼人の住む家へと情報を集めに向かった。


依頼人の家は、なかなかの豪邸！

庭にはプールもついていて、簡単なゴルフの練習もできるようになっていた。

何よりお金持ちだと思わせるのが、家の周りを囲んでいる塀の高いこと・・・

あらゆる場所に監視カメラがついている。

ｱｶﾈは、中にもぐりこむためには使用人にでもなるしかないと考えた。


そのまま玄関から行っても怪しまれるので、ｱｶﾈは悦子に電話した。


「悦子さん！奥さんか旦那さんどっちでもいいんだけど、探偵を使用人として送るから受け入れるよう頼んでください。」


『はいはい。じゃあ、奥さんの方に言っとくわ。じゃあね。』