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7章:プロポーズ
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アカネは二時間くらい買い物をしてからマンションに戻った。
「悦子さん、ただいま。」
部屋に入ると、あのたくさんのバラの花束は消えていた。
「悦子さん、バラは?」
アカネがたずねると、悦子は
『ゴミ袋に入れて捨てたわ。』
と言った。
『ついでに、指輪も・・・』
悦子は、あのバラたちと一緒に指輪もゴミに出していた。
「だって、あれ、悦子さんが大事にしてきたものなのに?どうして・・・?」
『だって、あたしがいつまでもサトシを忘れられないから、サトシが毎年あたしにバラをプレゼントするのよ。毎年死んだ相手にプロポーズされるのも困るのよね。返事のしようがないじゃない。』
悦子は笑いながら言った。
『そろそろあたしにも恋愛させてね、さよならサトシ。』
ふっきれた悦子さんの顔は晴れやかだった。
翌年から、悦子の元にバラの花束は届かなくなったとか・・・
あの花束は、誰から贈られてきたのかアカネも悦子もわからなかった。
本当に天国のサトシからだったんじゃないかと、悦子は思っている・・・
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浮気調査員悦子(エツコ) ©著者:ポチャ子
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