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3章:父の想い…
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3章:父の想い…
ママの父…(じいちゃん)は頑固な性格だ…素直じゃない為、いつも本音を相手に伝えることができなかった。
その頑固な性格は誰にたいしても同じで、妻、我が子にたいしてもそうだった。
一度、自分が相手に【いい】と言った言葉は絶対に折り曲げなかった。
そんな夫の性格を知っていたばあちゃんは、夫に逆らうことなく、娘が兄にもらわれていくことをプラスに考えるようにした。
そんな重大なこととは知らず、【赤い靴】を買ってもらえる嬉しさで、父さん母さんの顔色を気にかけなかったママ…。
この時、少しの間だけ叔父さんの子供になるんだと簡単に考えていた。
そんな、一生のことだなんて思ってもいなかったんだもの。
ママが叔父さんにもらわれていく前の日の夜…
じいちゃんはいつもより大量に酒を飲んでいた…
じいちゃんは、酒を大量に飲むと、泣きながら…いつも出さない本音を言う癖があった。
日本酒を飲みながら、焼き魚を食べていた父…
ママはその魚を物欲しそうにじっと…見つめている…
すると…
一郎: 麗…魚食べるか?
麗: いいよ…父さんのだもん…
一郎: いいから…食べなさい…父さんはもうお腹一杯だよ…
麗: いいのぉ…?
一郎: いいよ…
父は魚をママの目の前に【スーッ】と差し出す…
嬉しそうな顔をするママ…
一郎: いいか…麗…幸せになるんだぞ…もし…寂しくなったらすぐ帰ってきなさい…すぐに迎えにいってやるからな…
父は顔を赤くして…泣きながらママに言った。
麗: ねぇ…父さん…どうして泣いているの?悲しいの?麗はすぐ帰ってくるよ…赤い靴買ってもらったら、父さんにも見せてあげるね!
父の表情は…悲しそうに…涙を流しながら笑っていた。
そして翌朝…
ママが叔父さんにもらわれていく日だ…。
兄: さて…麗ちゃん、いこうか…
麗: うん…
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