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1章:誕生… (2/2)

小学生のママは、学校が好きだったという。勉強はあまり得意な子供ではなかったが、学校に行けば、決して家庭では出ることのない給食というご馳走が食べられたからである。それが楽しみで学校を休むことはなかった。



父親は炭鉱作業員


母親は農家へ出稼ぎ


そんな両親のもとへ生まれた。



兄弟が多く、周りより暮らしが貧しかった為、食生活は貧相な物だった。



現代人には想像もつかないだろうが、米なんていうご馳走は、毎日食べられなかったらしい。


毎回毎回、出される食事は【芋の塩煮】ただ、蒸かした芋を塩で味付けしたもの。



父親がきちんと働いていたら、もっとまともな暮らしができたのかもしれない。





だが…



私にも記憶にあることだが、私のじいちゃん(ママの父親)は根っからの飲んべえ…しまいに…酒乱だった。

酒を飲んでは、ばあちゃんを殴り、街中で暴れた。


仕事に行かない日は続き、まともに給料を家に持って帰ってきたことがない。


暇さえあれば、酒に溺れ…暴れていたという。




そして…給料日には、仕事帰りに飲み屋に直行し、酔っ払いながら、給料はスッカラカンになって帰ってきた。

そんな大変な生活をやりくりしていたのが、母親…(ばあちゃん)だ。


身も心もボロボロになりながら、子供6人を育てあげた。


ばあちゃんもママと同じように【うつ病】を持っている。


ママは子供時代…自分達が寝静まった後の茶の間で、何度もばあちゃんが泣いている姿を見たという。



働きすぎたばあちゃんの足はボロボロになった。
若い頃…足を引きずりながら働いたからだ。



どうしてそこまでして離婚をしなかったのでしょう…?


子供6人を抱えたばあちゃんにとって、再婚という言葉は、相手にとっても自分にとってもリスクが大きすぎたのでしょう…




そんな母親の姿を小さいながら見てきたママは…



ワガママを言ったことがなかったという。




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ママの物語… ©著者:みち★

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